誘拐リフレイン

以前にブログに書いた歌野昌午さんの小説「名探偵、初心者ですが」の続編を読んでみた。読後の感想はまたしてもやられたといったところ。もしかしたら勘のいい方は早い段階で気付いたかもしれないが、私は明かされるまで肝のトリックに気付く事が出来なかった。その所為で今回は当たり前に誘拐犯とのやり取りが描かれていくんだなと感じたものだ。

さて、今作は過去作で描かれた事件の一つによって人生を狂わされた少年が誘拐事件に関わってしまい、同級生だった舞田ひとみに助けを求めるところから始まる。

実は私が以前に読んだ作品の間にもう一作あり、これは舞田ひとみシリーズと呼ぶべきものであるらしい。小学生→中学生→高校生(本作)という流れであるようだ。とはいえ、過去作を読んでいればより楽しめるという程度であり、本作から読み始めても問題なく楽しめる作品となっているので安心して欲しい。

私は中学生編を飛ばして読んだため、11歳のひとみちゃんが急に17歳になってしまっていたギャップに脳が消化不良を起こしそうになる事があった。もともとエキセントリックというか、底知れない雰囲気のあったひとみちゃんがいよいよ何を考えているのかわからない存在に成長していたのだ。これもまた本シリーズの魅力の一つなのだろうが、実際に姪のいる中年のおっさんにはなかなか複雑なものを抱かせる要素である。

順当にいけば次回作は社会人編なのだろうが、果たしてひとみちゃんがどんな大人になっているのか。それを楽しみにしつつ中学生編を探して読んでみようと思う。

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